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鼻水が止まらない…原因・咳との関係を、わかりやすく解説

アレルギー 呼吸器内科

✨ 鼻水が止まらない…その症状、実は「後鼻漏」や「副鼻腔炎」のサインかもしれません

「鼻水がいつまでも続く」「かんでもまた出てくる」「朝と外出時に悪化する」──そんな経験はありませんか?鼻水は「風邪の一部」と思われがちですが、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏(こうびろう)など、治療が必要な病気が隠れていることもあります。

特に、当院では鼻水がのどへ流れて咳が長引く“後鼻漏”で来院される方が非常に多く、「咳の原因は鼻だった」ということも珍しくありません。

この記事では、専門医として鼻水の原因・色による見分け方・咳との関係・受診の目安・治療方法を丁寧に解説します。

① 鼻水が止まらないのはなぜ?

鼻水は、鼻の粘膜が刺激を受けたときの防御反応です。
花粉・ハウスダスト・ウイルス・気温差などを洗い流すために分泌されます。

しかし、原因によって
出る量・粘り気・色・出るタイミングが大きく変わります。
これらは診断を進める大きなヒントになります。

② 鼻水の“状態”からわかること

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◆ 透明の鼻水

  • 外気に触れた瞬間に流れる

  • 朝に出やすい

  • くしゃみ・目のかゆみを伴う

アレルギー性鼻炎に多い症状です。

◆ 黄色・緑色の鼻水

  • 風邪が長引いている

  • においがしにくい

  • 頭痛や顔の重さを伴う

➡ **副鼻腔炎(蓄膿症)**の可能性があります。

③ 鼻水が続く原因となる代表的な病気

1. 風邪(ウイルス感染)

  • 初期は透明の鼻水
  • 数日経つと黄色っぽく変化する
  • のどの痛み・微熱を伴うことが多い
  • 多くは1週間前後で自然に改善

2. アレルギー性鼻炎

  • サラサラした透明の鼻水
  • くしゃみが連続して出る
  • 朝や外出時に悪化しやすい
  • 目のかゆみ・充血を伴うことが多い

通年性(ダニ・ホコリ)や季節性(花粉)の両方があり、
当院では血液検査でアレルゲンを特定し、抗アレルギー薬・ステロイド点鼻・舌下免疫療法などを行います。

3. 副鼻腔炎(蓄膿症)

  • 黄色〜緑色の鼻水が続く
  • においを感じにくくなる
  • 顔の重だるさや頭痛を伴う
  • 鼻水がのどに落ちて、咳の原因になることがある

炎症が長引くと、慢性化して治りづらくなることがあります。

④ 鼻水が喉に落ちる「後鼻漏」と咳の関係

鼻が喉の奥に垂れ込むことによっておこる咳を上気道咳症候群という

当院でも相談が多い症状が、この後鼻漏(こうびろう)です。鼻水は本来、前に出てきますが、炎症などで粘りが強くなると後ろ側(のど)へ流れやすくなります。

その結果、

  1. 鼻水がのどへ落ちる
  2. のどの粘膜を刺激する
  3. 咳・痰・違和感が出る

という流れで、咳が長引く原因になります。鼻がのどに垂れ込むこと(後鼻漏)が原因で起こる咳のことを「上気道咳症候群」といいます。

特に、

  • 横になると咳が悪化する
  • 朝起きたときに咳が出やすい
  • 風邪は治ったはずなのに咳だけ続く

といった場合、後鼻漏の可能性が高くなります。実際に、「咳止めを飲んでも良くならず、鼻の治療をしたら改善した」というケースは少なくありません。

⑤ 自宅でできるセルフケア

症状が軽い場合は、次のようなセルフケアで楽になることがあります。

  • 室内の加湿(湿度50〜60%を目安にする)
  • 鼻を強くかまず、片側ずつやさしくかむ
  • 布団・カーペットのダニ対策(こまめな掃除・天日干しなど)
  • 花粉シーズンは帰宅後すぐに上着を払う・着替える
  • 温かい飲み物で鼻やのど周りの血流を良くする
  • 鼻うがいを行う

市販薬で一時的に症状が和らぐこともありますが、症状が長引く場合は自己判断で薬を続けず、医療機関の受診をおすすめします。

⑥ 受診をおすすめするサイン

次のような症状がある場合は、一度医療機関での診察を受けてください。

      • 鼻水が1週間以上続いている
      • 黄色・緑色の鼻水が増えてきた
      • におい・味を感じにくい
      • 咳が2〜3週間以上続いている
      • 顔の重だるさや頭痛がある
      • 後鼻漏が疑われる違和感がある
      • 花粉症の症状が毎年つらく、生活に支障が出ている

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎は、放置すると慢性化しやすいため、早めの診断と治療が重要です。

⑦ 当院で行う検査と治療

葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニックでは、鼻水や咳の原因を総合的に評価し、適切な治療をご提案します。

Doctor writing notes while patient sits opposite.

🔍 検査

  • 医師による鼻・喉の診察
  • アレルギー検査(特異的IgE血液検査)
  • 必要に応じて炎症反応の血液検査

💊 治療

  • 抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬の内服
  • ステロイド点鼻薬などの局所治療
  • 副鼻腔炎に対する適切な抗菌薬治療
  • スギ・ダニに対する舌下免疫療法
  • 後鼻漏の原因となる鼻炎・副鼻腔炎の治療

鼻水と咳は密接に関連していることが多いため、
症状だけでなく、原因までしっかり診断したうえで治療方針を決めていきます。

✨ まとめ

鼻水は、単なる不快症状のように見えて、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・後鼻漏といった病気のサインであることがあります。

長引くほど治りにくくなることもあるため、「いつもと違う」「咳まで続いてきた」と感じたら、早めの受診をおすすめします。

葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニックでは、呼吸器・アレルギー専門医が、鼻と咳の両面から原因を見極め、お一人おひとりに合った治療をご提案します。鼻水や咳でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
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院長 横山 裕

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