【講演会参加】逆流症食道炎に関する講演会

2025年8月23日に東京で行われました「逆流性食道炎」に関する講演会に参加致しました。逆流症食道炎とは胃酸が逆流することにより「胸やけ」「もたれ」「呑酸(どんさん)」などの症状を来す疾患です。呼吸器内科と逆流症食道炎には密接な関係があり、特に「長引く咳(慢性咳嗽)」や「喘息」との関連も深いことが分かっています。講演会についての要旨をまとめましたのでご興味がある方は是非ご覧ください。
講演プログラムと講演要旨
PPI:プロトンポンプインヒビター
VPZ:ボノプラザン(タケキャブ)
P-CAB:ボノプラザン(タケキャブ)
逆流性食道炎の臨床課題を捉える 飯島克則先生(秋田大学)
・GERDのガイドラインのフローチャートは複雑である
・PPIやPCABによるCDI(クロストリジウム腸炎)のリスクがある
・軽症GERDにおいてPPI中止は可能か?
NERD 3割 軽症GERD 4割 重症GERD 6割はPPI継続
高齢者、BMI高値、長い罹病機関、重症感
PPIを止める時の注意点
PPI投与→ガストリン↑(しばらく持続)→PPI中断により、ガストリンにより胃酸過分泌
PPI休止時のTaperingの効果:有意差なし
PPI再開必要だったのは73%→GERD、ガストリン高値の方
アルギン酸ナトリウム(ディスペプシアを対象):PPIの75%程度は減量可能であった
肥満、投与前の症状の強さ、PPI投与中の血清ガストリンが再発と関連
PPI打ち切り時のTaperingやアルギン酸ナトリウムなどによる中和などが対策
実臨床における有効性を探る 後藤康彦先生(新別府病院)
・Step upよりもStep downの方が症状消失しやすい
・PPIは効果発現まで3~5日間かかる
・VPZは内服開始後4時間程度で効果
・逆流性食道炎は再発・再燃を繰り返す(89.4%)
・PPI軽症でも4週より8週の方がその後の再発率は少ない
・生活習慣の改善も重要
・VPZの特徴
血中の半減期が7時間と長い
活性体となるための酸との反応不要→すぐ効く
食事の影響を受けない
効果のばらつきが少ない
VPZ vsランソプラゾールの症状消失率:VPZは7日間で60%と高い
VPZ20mg 141円/錠 VPZ10mg 94円/錠
胸やけの高い消失率
再発率を低下
休薬を期待
高い費用対効果
・PPI内服薬の遵守率は若年者で低い
酸分泌抑制薬の長期使用における安全性を探る 木下芳一先生(はりま姫路総合医療センター)
・VPZとPPIの142日間での検討では重症有害事象の発現率に差はないと報告
・PPIの長期投与による有害事象とは:平均14年→死亡リスクは上がらない
・VISION study:(ピロリ陰性の方を対象とした研究)VPZ vsランソプラゾール
下痢 VPZ 8.9% ランソ 6.0% CD腸炎は0
酸化マグネシウムの効果減弱
血清ガストリン値の上昇 VPZの方が高い
カルチノイド腫瘍:両群とも5年で発症せず
壁細胞の過形成はあり(VPZの方が高い)
ECL細胞の過形成はあり
骨折:VPZ 8.1% ランソ11.9%(5年)
肺炎:1.5% vs 1.5%(5年)
VitB12, 葉酸:異常なし
・HP除菌後:H2ブロッカーよりもPPI,VPZの方が胃がん発症率高

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック
院長 横山 裕
医院紹介

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TEL | 03-3877-1159 |
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休診日:木・土(午後)・日・祝日
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