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胸が痛いときは?原因と受診の目安をやさしく解説

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胸が痛いときは?原因と受診の目安を知っておきましょう

胸の痛み(胸痛)は、心臓や肺だけでなく、筋肉・神経・消化器・ストレスなど様々な要因で起こります。厚生労働省など公的情報を踏まえ、一般の方向けにわかりやすく解説します。

1. 胸の痛みの主な原因

胸の痛み(胸痛)は、「心臓が悪いのでは?」と心配されがちですが、実際には心臓・肺・筋肉・神経・消化器・ストレスなど、さまざまな原因で起こります。代表的なものを紹介します。

🔹心臓の病気

狭心症や心筋梗塞など。胸の中央〜左側の締めつけ感や圧迫感が特徴で、冷や汗・吐き気・息苦しさを伴うこともあります。痛みが強く続く場合は救急受診が必要です。

🔹肺・胸膜の病気

気胸・胸膜炎・肺炎など。呼吸や咳で痛みが強くなるのが特徴で、息苦しさや発熱を伴うこともあります。

🔹筋肉や神経の痛み

姿勢・運動・ストレスなどで起こり、押すと痛い・動くと痛みが変わるなどの特徴があります。体を休めると軽くなることも多いです。

🔹消化器・ストレス

逆流性食道炎では、胃酸が上がって胸やけや焼けるような痛みが出ます。
また、ストレスや自律神経の乱れで胸の違和感を感じることもあります。

2. 呼吸器内科でよくみる胸の痛み

a man holding his chest with his hands

呼吸器内科では、肺や胸膜に関わる病気が原因の胸痛を多く診察します。

🫁 気胸(ききょう)

肺の表面に穴が開き、空気が漏れて肺がしぼんでしまう病気です。突然、片側の鋭い胸の痛みと息苦しさが現れ、深呼吸で悪化するのが特徴です。
放置すると呼吸困難が進行することもあり、緊急対応が必要です。

🫁 胸膜炎

肺を包む膜(胸膜)に炎症が起こる病気です。呼吸や咳、体の動きで痛みが強まり、発熱を伴うこともあります。原因は肺炎などの感染や、膠原病、がんの転移などさまざまです。

🫁 肺炎

発熱・咳・痰・息切れとともに、胸の奥の鈍い痛みを訴える方もいます。呼吸で痛みが強くなる場合や、息苦しさが続く場合は受診をおすすめします。

3. 診察ではどんな検査をする?

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  • 問診・診察:痛みの部位・性質・持続・誘因、発熱や咳・冷や汗の有無、既往歴や生活習慣を確認します。
  • 胸部レントゲン:肺・胸膜・心陰影などを評価します。
  • 心電図:心筋虚血・不整脈・心筋梗塞の手がかりを得ます。
  • 血液検査:炎症反応、心筋マーカー(例:トロポニン)などを確認します。
  • CTなど画像検査:必要に応じて、肺血栓塞栓症や大動脈疾患、気胸の評価に用います。

4. すぐに受診したほうがよい症状

  • 胸の中央〜左側が締めつけられるように痛む、または重い圧迫感が数分以上続く
     → 狭心症や心筋梗塞の可能性があります。安静にしても痛みが続く場合は救急要請を。

  • 痛みが肩・腕・背中・あごへ広がる(放散痛)
     → 心臓の痛みは「胸以外」に出ることもあります。特に左肩や左腕への痛みは注意が必要です。

  • 冷や汗・吐き気・めまい・息苦しさ・意識低下を伴う
     → 心筋梗塞や重度の不整脈、肺塞栓症など命に関わる病気のサインの可能性があります。

  • 咳や深呼吸で痛みが強まる、血の混じった痰(血痰)が出る、発熱や強い息切れがある
     → 肺炎や気胸、肺血栓塞栓症などの呼吸器疾患の可能性があります。

これらの症状は、「時間を置いて様子を見る」よりも「すぐに医療機関へ相談する」ことが大切です。
特に、痛みが突然出た/いつもと違う息苦しさを感じる/冷や汗が止まらないといったときは、ためらわず救急要請を行いましょう。

5. 日常で気をつけたいこと

  • 姿勢と生活リズムを整える

    長時間同じ姿勢でいると、胸や肩の筋肉がこりやすくなります。
    デスクワークの合間に肩を回す・深呼吸をするなど、体を軽く動かしましょう。
    背中を丸めずに座ると呼吸もしやすくなります。

    ストレスと睡眠を大切に

    ストレスや寝不足は、自律神経のバランスを崩し胸の違和感の原因になります。
    十分な睡眠とリラックスする時間を意識して過ごしましょう。
    深呼吸や軽いストレッチも効果的です。

    食事と運動

    脂っこい食事や食べすぎは、胃酸の逆流を起こして胸の痛みを感じることがあります。
    腹八分目と軽い運動(ウォーキングなど)を続けることで、心臓や肺の健康にもつながります。

    禁煙と健診

    タバコは気胸や心臓病など多くの病気の原因になります。
    禁煙を意識し、年に1回の健診で胸部や心臓のチェックを受けましょう。

6. まとめ:胸の痛みを感じたら早めに相談を

胸の痛みは、軽い筋肉の痛みから心臓・肺の病気まで、さまざまな原因で起こります。見た目や痛み方だけでは判断が難しく、「少し変だな」と思ったときこそ早めの受診が大切です。

強い痛みが続く、息苦しい、冷や汗や吐き気を伴う場合は、迷わず医療機関を受診してください。早期に原因を特定し、適切な治療を受けることで、重い病気の発見や進行の防止につながります。

胸の痛みを感じたら、自己判断せず、まずは医師に相談しましょう。

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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