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喘息の吸入薬をわかりやすく解説|種類・名前・役割・使い方

新着記事 喘息 呼吸器内科 COPD

「喘息と診断されて、吸入薬が出たけれど…」

「名前がたくさんあって、正直よくわからない」

「症状がない日は使わなくてもいいの?」

これは、喘息の患者さんからとてもよく聞く疑問です。喘息治療では、吸入薬を正しく理解し、続けられるかどうかが、今後の生活のしやすさを大きく左右します。

この記事では、喘息の吸入薬についてやさしく解説します。

 

喘息は「気道の炎症」が続く病気

気管支ぜんそくはどんな病気か:喘息が悪化する要因と気管支の伸び縮みを表すことで表現

喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が続いている病気です。そのため、普段は元気でも、ちょっとしたきっかけで症状が出やすくなります。

たとえば、

・風邪をひいたとき 

・気温差があるとき 

・運動したとき 

・夜〜明け方

などに、

・咳が止まらない

・ゼーゼーする

・息が苦しい

といった症状が起こります。このとき大切なのは、症状がない時でも炎症は完全には消えていないことが多い、という点です。

なぜ喘息治療は「吸入」が基本なの?

喘息の炎症は「肺・気道」にあります。そこで、吸入薬は薬を直接そこに届ける治療になります。

たとえるなら、のどが痛いときに、飲み薬よりも「のどに直接スプレーする」ほうが効きやすい、というイメージがわかりやすいでしょう💡

このため、

✅少ない量でもしっかり効きやすい

✅効果を実感しやすい

✅飲み薬より全身の副作用が少ない 

といったメリットがあります。

吸入の種類

喘息の吸入薬は、大きく分けると役割の違い「長期管理薬」「発作止め」 に分かれます。

① 長期管理薬(毎日使う薬)

長期管理薬は、喘息の炎症や気道の状態を整え、発作を起こしにくくするために毎日使う薬です。

いわば、喘息治療の「土台」となる存在です。

その働きの違いから、次の3つに分けて考えると理解しやすくなります。

● ICS(吸入ステロイド)

▶ 気道の炎症を抑える「いちばん大切な薬」

ICSは、喘息の原因である気道の炎症そのものを抑える薬です。

すべての喘息治療の基本となります。

代表的な名前

ポイント

  • 毎日、決まった回数使う

  • 症状がなくても続ける

  • すぐに楽になる薬ではない

「ステロイド」と聞くと不安になる方も多いですが、吸入ステロイドは肺に直接届くため、全身への影響は非常に少ない薬です。

● LABA(長時間作用型気管支拡張薬)

▶ 気道を広げ、呼吸を楽に保つ薬

LABAは、気道を広げた状態を長時間保つ薬です。

炎症を抑える作用はないため、ICSと必ず一緒に使います

役割

  • 気道を広げる

  • 夜間や早朝の息苦しさを防ぐ

  • 運動時の症状を抑える

※ LABA単独では喘息治療には使いません。

● LAMA(長時間作用型抗コリン薬)

▶ さらに気道を安定させる薬

LAMAは、気道が狭くなるのを防ぐ別の仕組みをもつ薬です。

症状がやや強い方や、コントロールが不十分な場合に追加されます。

代表的な名前

役割

  • 気道の収縮を抑える

  • 息苦しさの再発を防ぐ

● 配合吸入薬(ICS+LABA/ICS+LABA+LAMA)

▶ 現在もっとも主流の治療

これらの成分を1本にまとめた吸入薬が、現在の喘息治療の中心です。

代表的な名前

ポイント

  • 毎日使って喘息を安定させる

  • 吸入回数が少なく続けやすい

  • 症状や重症度に合わせて選択される

② 発作止め(苦しい時に使う薬)

●短時間作用型β2刺激薬(SABA)短時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(SAMA)

▶ 今つらい症状を一時的に楽にする薬

気道をすばやく広げ、

息苦しさやゼーゼーをその場で和らげる薬です。

代表的な名前

ポイント

  • 苦しいときに使用

  • 効果は一時的

  • これだけでは喘息は治らない

🚨 発作止めを使う回数が増えてきたら要注意

→ 長期管理薬の見直しが必要なサインです。

吸入薬はなぜ毎日続ける必要があるの?

喘息治療で大切なのは、

  • ❌「症状が出たら治療」

  • 「症状を出さないための治療」

✔ 咳が出なくなった

✔ 苦しくない

治った、ではありません。

吸入をやめると、気づかないうちに炎症が再燃し、ある日突然つらい発作が起こることもあります。

「吸入しているのに効かない」と感じる理由

実は、「薬が合っていない」よりも、 「吸い方がうまくいっていない」ことの方が多い のが現実です。

よくある原因は、

①吸うスピードが合っていない

②吸ったあとに息を止めていない

③忙しくて毎日使えていない

吸入薬は、正しい使い方ができて初めて効果を発揮します。当院では、処方時に、実際に一緒に吸入練習を行い、「ちゃんと効く使い方」ができているかを確認しています。

まとめ:吸入薬は「喘息と上手につきあう道具」

喘息は、

正しい吸入治療を続ければ、日常生活を大きく制限せずに過ごせる病気です。

  • 自分の薬の役割がわからない

  • 吸入が合っているか不安

  • 咳がなかなか止まらない

そんなときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。一人ひとりに合った治療を、一緒に考えていきましょう。

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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