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デュピクセント注射とは?効果・費用など重症喘息の治療を解説

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デュピクセントとは?重症喘息に使われる注射治療をわかりやすく解説

喘息の治療というと、多くの方は吸入薬を思い浮かべると思います。
実際、吸入薬は喘息治療の基本であり、多くの患者さんはそれだけで症状を安定させることができます。

しかし診療をしていると、

  • 「吸入薬をきちんと使っているのに発作を繰り返す」
  • 「風邪をひくと毎回悪化してしまう...」
  • 「ステロイドの飲み薬が必要になることが増えてきた」

といった患者さんも少なくありません。

このような場合、単に薬の量が足りないのではなく、炎症を起こす体の仕組みそのものが強く働いている可能性があります。

近年、このタイプの喘息に対して炎症の原因に直接働きかける新しい治療が登場しました。

それが デュピクセント(デュピルマブ) です。

この記事では、デュピクセントがどんな薬なのか、初心者の方にも理解できるように、できるだけ分かりやすく解説します。

 

そもそも...喘息はなぜ起こるのか

喘息は「気管支が狭くなる病気」と説明されることが多いですが、
実際には 気道の慢性的な炎症が続いている状態 です。

気道の内側が炎症で腫れていると、

  • ・空気の通り道が狭くなる
  • ・痰が増える
  • ・刺激に敏感になる

ため、ちょっとしたきっかけでも

    • 咳が出る
    • 息苦しくなる
    • 発作が起きる

といった症状につながります。

この炎症が続く背景には、体の中で炎症を強める信号が出続けていることがあります。

その代表が

👉 IL-4 と IL-13

という物質です。

難しい名前ですが、イメージとしては

👉 「アレルギー炎症を続けて!」という指令を出しているスイッチ

のようなものです。

デュピクセントはどんな薬?

デュピクセントは、

👉 この炎症のスイッチ(IL-4・IL-13)の働きをブロックする注射薬

です。

スイッチが止まることで、

  • 気道の炎症が落ち着きやすくなる
  • 発作が起きにくくなる
  • 咳や息苦しさが改善する

といった効果が期待できます。

従来の吸入薬は炎症を広く抑える治療ですが、
デュピクセントは

👉 炎症が続く原因そのものに直接働く治療

という点が大きな特徴です。

例えるなら、

  • 吸入薬=燃えている火を弱める
  • デュピクセント=火が燃え続ける原因を止める

という違いです。

生物学的製剤とは?

デュピクセントは 生物学的製剤 と呼ばれる薬です。

これは、

👉 病気の原因となる仕組みをピンポイントで抑える薬

という意味です。

従来のステロイドは免疫を広く抑えるため効果は強いですが、
長期使用では副作用の問題もあります。

一方、生物学的製剤は標的が限定されているため、

    • 必要な免疫機能は保たれやすい
    • 全身副作用が比較的少ない
    • 長期的に使いやすい

という特徴があります。

近年の重症喘息治療では、炎症のタイプに合わせて生物学的製剤を選ぶという考え方が主流になっています。

どんな患者さんに使われる?

デュピクセントは、すべての喘息患者さんに必要な薬ではありません。
多くの方は吸入薬で十分にコントロールできます。

しかし中には、

  • 吸入薬をきちんと使っているのに症状が残る
  • 年に何度も発作を繰り返してしまう
  • 悪化するとステロイドの飲み薬が必要になる

といった状態が続く方がいます。

このように、標準的な治療を行っても十分にコントロールできない喘息は
重症喘息(難治性喘息) と呼ばれます。

デュピクセントは、こうした患者さんに対して、
👉 炎症の原因に直接働きかける目的で追加される治療です。

検査結果との関係(好酸球・FeNO)

デュピクセントは特に、

  • 血液検査で 好酸球が多い
  • 呼気検査で FeNO(呼気一酸化窒素)が高い

といった、アレルギー炎症が強いタイプの喘息で効果が期待されます。

これらの数値は、
👉 体の中でどれくらい炎症が活発に起きているかを示す目安になります。

数値が高いほど、炎症のスイッチが強く入っている状態と考えられ、
デュピクセントのように炎症の信号を抑える治療が有効な可能性が高くなります。

当院では、症状の経過だけでなく、こうした検査結果も合わせて確認しながら、
患者さんごとに治療の適応を判断しています。

他の病気にも効果がある?

デュピクセントは、IL-4IL-13 という アレルギー炎症を引き起こす信号の働きを抑える薬です。

この2つの信号は、喘息の気道だけでなく、

  • 皮膚
  • 鼻や副鼻腔
  • 気道

など、体のさまざまな場所で起こるアレルギー炎症に関わっています。

つまり、炎症が起きている場所は違っても、
炎症を起こす仕組みそのものは共通していることが多いのです。

そのため、デュピクセントは喘息の治療薬として使用されますが、
同じアレルギー炎症が関係する病気にも適応があります。

例えば、

    • アトピー性皮膚炎
    • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)
    • 慢性蕁麻疹
    • 結節性痒疹

などです。

これらの病気を併せてお持ちの場合には、
👉 喘息だけでなく、皮膚や鼻の症状にも良い変化がみられることがあります。

実際に、喘息治療としてデュピクセントを開始した後、
皮膚のかゆみが軽くなったり、鼻づまりや副鼻腔炎の症状が改善したりする方もいます。

期待できる効果

デュピクセントを使用することで、

  • 発作の回数が減る
  • ステロイドの飲み薬を減らせる
  • 呼吸機能が改善する
  • 夜間の咳や息苦しさが減る
  • 日常生活の活動量が増える

といった変化が期待できます。

特に、ステロイド内服を繰り返している患者さんでは、
👉 ステロイドを減らせること自体が大きなメリットになります。

また、長期使用でも安全性が確認されており、必要に応じて継続治療として使われることが多い薬です。

費用は高いの?

デュピクセントについて相談を受けると、多くの方が最初に気にされるのが 費用 です。

結論から言うと、デュピクセントは 比較的高額な治療薬 です。

通常は2週間ごとに使用するため、薬剤費だけを見ると負担が大きく感じられるかもしれません。ただし、実際の自己負担額はこの金額をそのまま支払うわけではありません。

日本には医療費の負担を軽くする制度があり、

  • 高額療養費制度
  • 付加給付制度(健康保険組合による)
  • 医療費控除

🔗高額療養費制度とは?わかりやすくイラスト解説|高額治療でも安心な理由

などを利用することで、
月ごとの自己負担額が一定額に抑えられる場合があります。

実際には、

👉 「思っていたより負担が少なかった」
👉 「制度を使えば継続できそう」

と感じる方も少なくありません。

当院では、高額療養費シミュレーターを導入しており、
患者さんごとの自己負担額の目安を事前に分かりやすくご説明しています。

費用面が気になる場合も、治療開始前に確認できますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

デュピクセントは、

👉 吸入薬だけでは抑えきれない喘息の炎症に対して、原因から働きかける注射治療です。

すべての患者さんに必要なわけではありませんが、

  • 発作を繰り返している
  • ステロイド内服が必要になっている
  • 検査でアレルギー炎症が強いと分かっている

このような場合には、有力な治療の選択肢になります。

適切な患者さんに使用することで、

  • 発作予防
  • ステロイド減量
  • 生活の質の改善

につながる可能性があります。

喘息のコントロールが難しいと感じている場合は、このような治療の選択肢があることを知っておくとよいでしょう。気になる方は主治医に相談してみてください。

 

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
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院長 横山 裕

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