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内臓脂肪を減らすには?|カロリーと血糖の基本

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 内臓脂肪を減らすには?カロリーと血糖から考える生活習慣病予防の基本

「健診で腹囲が基準を超えていると言われた」
「血糖値や中性脂肪が少し高い」

外来でも、このようなご相談はとても増えています。

実は、“お腹まわりの脂肪”は単なる体型の問題ではありません。
厚生労働省が示しているように、内臓脂肪の蓄積は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病と深く関係しています。

この記事では、

  • 内臓脂肪とは何か
  • なぜ危険なのか
  • どのくらいのカロリー調整が必要なのか
  • 食事と運動で何を意識すべきか
  •  
  • 内臓脂肪を減らす方法を知りたい方へ。
  • 本記事では、カロリー管理と血糖の視点から、医学的に正しい内臓脂肪の減らし方を解説します。

内臓脂肪とは何か

脂肪には大きく2種類あります。

  • 皮膚の下につく「皮下脂肪」
  • 内臓のまわりにつく「内臓脂肪」

内臓脂肪は腹腔内に蓄積する脂肪で、CT検査ではっきり確認できます。

厚生労働省の基準では、

腹囲

男性85cm以上
女性90cm以上

で内臓脂肪蓄積の可能性が高いとされています。

ポイントは、見た目がそれほど太っていなくても内臓脂肪が多い人がいるということです。

なぜ内臓脂肪が問題なのか

内臓脂肪は、単なる「エネルギーの貯蔵庫」ではありません。過剰になると、

インスリンの働きを悪くする

血圧を上げる物質を分泌する

中性脂肪を増やす

などの作用を持ちます。厚生労働省が定義する「メタボリックシンドローム」は、

内臓脂肪の蓄積 +  高血圧   高血糖    脂質異常症

が重なる状態です。これが進行すると、

    • 心筋梗塞
    • 脳梗塞
    • 動脈硬化

のリスクが高まります。つまり、内臓脂肪は生活習慣病の“出発点”とも言える存在なのです。

内臓脂肪が増える本当の理由

原因はシンプルです。

摂取カロリーが消費カロリーを上回ること。余ったエネルギーは脂肪として蓄えられます。

特に内臓脂肪が増えやすい要因は:

  • 夜遅い食事
  • アルコール
  • 甘い飲料
  • 運動不足
  • 座っている時間が長い生活

特別な食品が悪いのではなく、「エネルギーの余り」問題なのです。

カロリー収支という基本原理

体脂肪の増減は、次の式で説明できます。

摂取エネルギー 消費エネルギー体脂肪の増減

脂肪1kgは約7,000kcalとされています。つまり、

1日200kcalのマイナスをすると...
→ 1か月で約6,000kcal
→ 約1kg弱の脂肪減少

となります。200kcalとは、

  • 缶ビール1本分
  • 菓子パン1個弱
  • ごはん軽く1杯

程度です。極端な制限は不要で、小さなマイナスを続けることが重要です。

どれくらいで効果が出る?

厚生労働省の資料では、腹囲1cm減少 ≒ 体重1kg減少

が一つの目安とされています。

無理なく続けるなら、

  • 月1kg程度の減少
  • 3か月で3kg

このくらいが現実的です。急激に減らすよりも、持続可能な変化が最も安全で確実です。

内臓脂肪を減らす方法|食事で意識すべきポイント

厚生労働省の「食事バランスガイド」や生活習慣病予防の考え方を踏まえると、内臓脂肪対策で重要なのは 極端な制限ではなく、血糖と総カロリーを安定させることです。

① 野菜を増やす(食物繊維)

野菜・海藻・きのこ類などに含まれる食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにします。
食事の最初に野菜をとることで、食後血糖の急上昇を抑える効果が期待できます。

血糖の上昇がゆるやかになると、インスリンの過剰分泌が抑えられ、脂肪が蓄積しにくくなります。

② 甘い飲料を減らす

清涼飲料水や加糖コーヒー、スポーツドリンクなどは、気づかないうちに多くの糖質を摂取してしまいます。

液体の糖は吸収が早く、血糖を急激に上昇させやすいのが特徴です。
“飲み物の見直し”は、内臓脂肪対策の中でも効果が出やすいポイントです。

③ ゆっくり食べる

早食いは満腹感を感じる前に食べ過ぎてしまう原因になります。

よく噛み、食事時間を20分程度かけることで、満腹中枢が働きやすくなります。
結果として総摂取カロリーの抑制につながります。

④ 夜遅い食事を避ける

夜間は活動量が少なく、エネルギーが消費されにくい時間帯です。
遅い時間の高カロリー食は、脂肪として蓄積されやすくなります。

できれば就寝2~3時間前までに食事を終えることが理想的です。血糖が急上昇するとインスリンが多く分泌され、脂肪をため込みやすくなります。

そのため、血糖を安定させる食事 = 内臓脂肪対策と考えることができます。

特別な食品や流行の方法に頼る必要はありません。日々の食事の「小さな工夫」の積み重ねが、内臓脂肪を減らす最も確実な方法です。

運動はどれくらい必要?

厚生労働省の身体活動基準では、 週150分以上の中強度運動が推奨されています。

「中強度」とは、少し息が弾む程度の運動です。
会話はできるけれど、楽ではないと感じるくらいが目安になります。

具体的には次のような活動です。

    • 1日30分程度の早歩き
    • 階段を使う習慣をつける
    • 通勤や買い物で意識的に歩く
    • 掃除や庭仕事などの家事をしっかり行う

重要なのは、「運動を始めること」よりも、 活動量を増やし続けることです。運動によってエネルギー消費が増えるだけでなく、筋肉量が維持されることで基礎代謝も保たれます。

特別なトレーニングやジム通いが必須というわけではありません。
日常生活の中で「少し多く動く」ことの積み重ねが、内臓脂肪の減少につながります。

内臓脂肪が減るとどう変わる?

内臓脂肪は、ただの脂肪ではありません。体の中でさまざまな物質を分泌し、炎症や代謝に影響を与える“活動的な組織”です。

そのため、量が減ると体のバランスが整い、数値や体調に変化が現れてきます。

  • 血圧が安定する

    内臓脂肪が減ると血管への負担が軽くなり、血圧が下がりやすくなります。
  •  
  • HbA1cが改善しやすくなる

    インスリンの働きが良くなり、血糖が安定します。糖尿病予防に直結する変化です。
  •  
  • 中性脂肪が下がる

    脂質代謝が改善し、動脈硬化のリスクが低下します。
  •  
  • いびきや睡眠の質が改善することがある

    腹部の脂肪が減ることで呼吸がしやすくなり、睡眠の質が向上する場合があります。
  •  
  • 体が軽く感じるようになる

    慢性的な炎症が落ち着き、疲れにくくなることもあります。
  •  

大切なのは、見た目の変化よりも「血液データが改善すること」です。

内臓脂肪が減ることは、将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げることにつながります。
つまり、内臓脂肪の減少は「今の体型」だけでなく、 10年後、20年後の健康を守ることでもあるのです。

医療機関でできること

内臓脂肪の改善は自己管理でも可能ですが、数値の変化を確認することが重要です。

医療機関では、

  • 血液検査(血糖・脂質など)
  • 腹囲・体重測定
  • 生活習慣の整理と具体的アドバイス
  • 必要に応じた治療

を行い、安全に改善を目指します。

無理をするのではなく、医学的に確実な方法で続けることが大切です。

まとめ

内臓脂肪は生活習慣病の中心的な因子です。
しかし同時に、減らすことができる因子でもあります。

  • 基本はカロリー収支
  • 小さなマイナスを続ける
  • 食事と運動の両輪
  • 継続が最大のポイント

まずは「1日200kcal減らせる習慣」を1つ見つけること。
その積み重ねが、将来の健康を大きく変えていきます。

健診で数値が気になる方、なかなか自己流ではうまくいかない方は、どうぞお気軽にご相談ください。一人で抱え込まず、医学的な視点から一緒に改善を目指していきましょう。

監修

管理栄養士:菊川万莉捺

24時間WEB予約

院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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