中性脂肪が高いと言われたら?原因・基準値・働きを解説
中性脂肪(トリグリセリド)とは?基準値や体の中での働きをわかりやすく解説
健康診断の血液検査で
「中性脂肪が高いですね」
と言われたことはありませんか?
中性脂肪(トリグリセリド)は、体にとって重要なエネルギー源ですが、増えすぎると動脈硬化などの病気の原因になることがあります。
この記事では
- 中性脂肪とは何か
- どのように体の中で作られるのか
- なぜ増えすぎると問題なのか
について、できるだけわかりやすく解説します。
1 中性脂肪(トリグリセリド)とは
中性脂肪(トリグリセリド)は、血液中に存在する脂質の一種で、体のエネルギーを蓄える役割を持っています。
私たちが食事から摂取したエネルギーのうち、すぐに使われなかったものは、中性脂肪として体内に蓄えられます。
体に蓄えられた中性脂肪は、必要になったときに分解され、筋肉などでエネルギーとして利用されます。
また中性脂肪には
- 体温を保つ
- 内臓を保護する
- 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を助ける
といった重要な役割もあります。
つまり、中性脂肪は体にとって必要な脂質なのですが、増えすぎると健康リスクにつながることがあります。
2 中性脂肪の基準値
血液検査では、中性脂肪(トリグリセリド)は次の値が目安になります。
| 状態 | 採血条件 | 中性脂肪値 |
|---|---|---|
| 正常 | 空腹時採血 | 30〜149 mg/dL |
| 高トリグリセリド血症 | 空腹時採血 | 150 mg/dL以上 |
| 高トリグリセリド血症 |
食後や随時採血 |
175 mg/dL以上 |
中性脂肪が高い状態が続くと
- 動脈硬化
- 脂肪肝
- メタボリックシンドローム
など、生活習慣病のリスクが高くなるため注意が必要です。
3 中性脂肪はどこから作られる?

中性脂肪は、主に次の2つのルートで作られます。
食事から取り込まれる
食事に含まれる脂肪は、そのままの形では吸収されません。
小腸で消化酵素によって分解され、腸から吸収されたあと、再び中性脂肪として作り直されます。
その後、血液の中に入り、全身へと運ばれていきます。
肝臓で作られる
実は中性脂肪は、脂肪だけでなく
-
-
- 糖質(ご飯・パン・麺類・甘いもの)
- アルコール
-
からも作られます。
これらを摂りすぎると、余ったエネルギーが肝臓で中性脂肪に変換され、血液中に放出されます。
そのため、
「脂っこいものを食べていないのに中性脂肪が高い...」という人でも
-
-
- 甘いもの
- お酒
- 炭水化物
-
の摂りすぎが原因になっていることがあります。
4 中性脂肪は体の中でどう運ばれる?
脂肪は水に溶けないため、そのままでは血液の中を流れることができません。
そこで体は、脂肪を運ぶための「運び屋」のような仕組みを使っています。
食事から吸収された中性脂肪は、血液に乗って筋肉や脂肪組織などへ運ばれます。
運ばれた中性脂肪は、必要に応じて分解されてエネルギーとして使われます。しかし使いきれなかった中性脂肪は、体に蓄えられます。
蓄積される場所は
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
- 肝臓
などです。この結果として
- 脂肪肝
- 内臓脂肪の増加
- 動脈硬化
などが起こります。
5 中性脂肪が多いと何が問題?

最近の研究では、中性脂肪が高い状態は「動脈硬化のリスクと関係していること」が分かってきました。
中性脂肪が多いと、血液中の脂質のバランスが崩れ
-
-
- 悪玉コレステロールが増える
- 善玉コレステロールが減る
といった変化が起こります。
その結果
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
-
などのリスクが高くなると考えられています。
また中性脂肪が高い状態は、脂肪肝やメタボリックシンドロームとも深く関係しています。
6 中性脂肪が高くなる主な原因

中性脂肪が高くなる原因として多いのは、日常の生活習慣です。
特に食事内容や運動量、飲酒習慣が大きく影響します。
主な原因は次の通りです。
糖質のとりすぎ
ご飯・パン・麺類などの炭水化物や、甘いお菓子やジュースを摂りすぎると、余ったエネルギーが体内で中性脂肪として蓄えられます。
脂っこい食事をしていなくても、糖質のとりすぎが原因で中性脂肪が高くなることがあります。
アルコールの飲みすぎ
アルコールは肝臓で代謝される際に、中性脂肪を作りやすくすることが知られています。
飲酒量や頻度が多い場合、中性脂肪が高くなりやすくなります。
運動不足
運動量が少ないとエネルギーが消費されず、余ったエネルギーが脂肪として体に蓄積されます。
適度な運動は中性脂肪を下げるためにも重要です。
体重増加
体重が増えると内臓脂肪が増えやすくなり、脂質代謝が乱れて中性脂肪が高くなりやすくなります。
そのため、メタボリックシンドロームや脂肪肝では中性脂肪が高いことがよくあります。
まとめ
中性脂肪は体に必要な脂質ですが、増えすぎると健康リスクにつながります。
中性脂肪を上げやすい生活習慣として
- 食べ過ぎ
- 糖質のとりすぎ
- アルコール
- 運動不足
などがあります。
健康診断で中性脂肪が高いと言われた場合は、生活習慣を見直すことが大切です。
また、中性脂肪が高い状態が続く場合は、脂肪肝や動脈硬化などの病気が隠れていることもあります。
気になる方は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
引用記事
-
1.López-Miranda J, Arterioscler. 2025. PMID: 40461363.
-
2.Nordestgaard BG. Circ Res. 2016. PMID: 26892957.
-
3.Ginsberg HN, Eur Heart J. 2021;42(47):4791-4806. PMID: 34472586.
-
4.Jørgensen AB, Eur Heart J. 2013. PMID: 23248205.
-
5.Langsted A, Pathology. 2019. PMID: 30522787.
-
6.Wilson PWF, J Clin Lipidol. 2021. PMID: 34802986.
-
7.Glavinovic T,Endocrinol Diabetes Obes. 2021. PMID: 33229928.
-
8.Glavinovic T, J Am Heart Assoc. 2022. PMID: 36216435.
-
9.Miller M.Curr Opin Lipidol. 2024. PMID: 38482842.
-
10.Pareek M,Expert Opin Drug Saf. 2022. PMID: 34253137.
-
11.Linton MRF,Endotext. Updated review. PMID: 26844337.
-
12.Chapman MJ,Curr Opin Lipidol. 2022. PMID: 35304222.
監修
管理栄養士:菊川 万莉捺
参考記事
血糖値の正常値とは?健康診断で見るべき数字とポイント
葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック
院長 横山 裕
医院紹介
| 住所 | 〒134-0084東京都江戸川区東葛西5丁目1-2 第二吉田ビル3階 |
|---|---|
| 東京メトロ東西線 浦安、西葛西より2分、南行徳より4分、行徳より6分、妙典より8分 |
|
| TEL | 03-3877-1159 |
3階(院長)
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 08:30~12:30 | ● | ● | ● | - | ● | ▲ | - |
| 13:30~18:00 | ● | ● | ● | - | ● | - | - |
休診日:木・土(午後)・日・祝日
▲… 8:30〜14:00
※午前の受付は12:00までとなります。
4階(女性医師)
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 08:30~12:30 | ● | ● | ● | - | ● | ▲ | - |
| 13:30~16:30 | ● | ● | ● | - | ● | - | - |
休診日:木・土(午後)・日・祝日
▲… 8:30〜13:00
※午前の受付は12:00までとなります。


