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咳喘息の原因とは?長引く咳の正体と特徴を詳しく解説

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咳喘息の原因とは?長引く咳の正体をやさしく解説【咳喘息 原因】

 

「風邪は治ったのに、咳だけがいつまでも残る…」そんなときに考えたいのが咳喘息(せきぜんそく)です。一般的な喘息と異なり、ゼイゼイ・ヒューヒュー(喘鳴)がないのに咳だけが続くのが特徴。この記事では咳喘息の原因を中心に、症状・診断・受診の目安までわかりやすく解説します。

咳喘息とは

咳喘息は長引く咳だけが主症状の病気です。気道がアレルギー性炎症などで敏感になり、少しの刺激でも咳が出やすい状態(気道過敏性)になっています。一般的な喘息と異なり、ゼイゼイ・ヒューヒュー(喘鳴)は基本ありません

咳喘息の原因

咳喘息の大きな原因は、気道が敏感になってしまうこと(気道過敏性の亢進)です。気道とは、鼻や喉から肺へと空気を運ぶ通り道のこと。通常はある程度の刺激では咳は出ませんが、咳喘息では炎症やアレルギー反応が関与し、わずかな刺激でも咳が出てしまう状態になっています。

考えられる原因や悪化因子は以下の通りです。

  • アレルギー性炎症(花粉、ダニ、ハウスダストなど)

  • 気温や湿度の変化(季節の変わり目、エアコンの使用など)

  • 大気中の刺激物(黄砂、PM2.5、たばこの煙、副流煙など)

  • 風邪や感染症の後の炎症

  • 運動や会話による刺激

  • 雨天や気圧の変化

こうした要因がきっかけとなり、咳が長期間続くのが咳喘息の特徴です。

症状の特徴

  • 咳喘息の最大の特徴は 「咳だけが長く続く」 ことです。特に以下のような状況で咳が悪化します。

    • 夜間や明け方に咳が強くなる(睡眠中に咳で目が覚めることもある)

    • 季節の変わり目や気温差で咳がひどくなる

    • 運動や会話の途中に咳き込む

    • たばこの煙や強いにおいで咳が出る

    • 喉のイガイガ感や圧迫感、胸の重さを感じることがある

    咳が日中も続く場合がありますが、特に 就寝前・深夜・早朝 に悪化するのが咳喘息の典型的なパターンです。

風邪・喘息との違い

長引く咳といえば「風邪が治りきっていないのでは?」と思われがちですが、咳喘息にはいくつかの違いがあります。

  • 風邪の場合:1〜2週間程度で自然に改善することが多い。発熱や喉の痛みを伴うことがある。

  • 咳喘息の場合:咳が3週間以上続き、夜間や早朝に悪化。喘鳴は基本的にない。

  • 気管支喘息の場合:咳に加えて、ゼイゼイ・ヒューヒューという音や息苦しさを伴う。

つまり「長引く咳があるのに、ゼイゼイはしない」という点が咳喘息を疑うポイントになります。

診断の考え方

咳喘息の診断にはいくつかのポイントがあります。

  • 3週間以上咳が続いている

  • 気管支拡張薬を使用すると咳が改善する

  • 夜間・早朝に悪化するなど、日内変動がある咳

  • 血液検査で好酸球が高め、呼気NO(FeNO)が高いことがある

ただし、咳喘息と診断されても注意が必要です。報告によると、咳喘息と診断された人の 3〜4割が後に気管支喘息へ移行する といわれています。そのため、治療で咳が落ち着いた後も、経過をしっかりと観察していくことが大切です。

治療と生活の工夫

治療

  • 吸入ステロイド薬(ICS)が基本
  • 必要に応じて気管支拡張薬や抗アレルギー薬を併用

生活の工夫

  • 寝室の湿度管理・ハウスダスト対策
  • 冷気を直接吸い込まないようにする
  • たばこの煙・強いにおい・PM2.5を避ける
  • 花粉や黄砂の時期は換気・洗濯に注意
  • 十分な睡眠と風邪予防

受診の目安

次のような場合は早めの受診をおすすめします。

  • 咳が 3週間以上続いている

  • 夜間や明け方の咳で眠れない

  • 季節や天候の変化で咳が繰り返し悪化する

  • 市販薬を使っても改善しない

また、強い息苦しさや血の混じった痰、体重減少を伴う場合は、咳喘息以外の病気が隠れている可能性もあるため、早急な受診が必要です。

よくある質問

Q. 風邪のあとに咳だけ長引いています。咳喘息ですか?

3週間以上続く/夜間に悪化/喘鳴がない場合は咳喘息の可能性があります。

Q. 放置するとどうなりますか?

一部の方は気管支喘息へ移行することがあります。経過観察が大切です。

まとめ

咳喘息は「長引く咳の原因」として非常に多い病気です。

  • 咳だけが続き、ゼイゼイ音はない
  • 夜間・早朝に咳が悪化しやすい
  • 気管支拡張薬で改善することがある
  • 放置すると将来、喘息に進行することもある

咳が長引いてつらいときは、自己判断せず早めに呼吸器内科を受診することが大切です。当院も検査など対応しております、気軽にご相談ください。

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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