呼吸器内科ってどんなところ?
「咳が長引いている」「息切れが気になる」「夜眠っているときに呼吸が止まっていると言われた」——そんなときに頼りになるのが呼吸器内科です。
呼吸器内科は、肺や気管支といった“呼吸に関わる臓器”を専門に診る診療科。風邪のような軽い症状から、専門的な検査や治療が必要な病気まで幅広く対応しています。
1. 呼吸器内科とは?
呼吸器内科は、肺や気管支、胸膜などを専門に診る内科です。私たちが普段あたりまえのように行っている「呼吸」は、少しの不調でも生活に大きな影響を与えます。
たとえば、
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- 咳が長く続いて眠れない
- 息切れで通勤や階段がつらい
- 家族に「寝ているときに呼吸が止まっているよ」と言われた
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こうした症状は日常的によくありますが、実は重大な病気のサインであることもあります。
呼吸器内科は「病気を見つけて治療する場所」であると同時に、
・重症の病気を早く見つけて病院に紹介する
・長く付き合う病気を生活に合わせて管理する
・予防接種などで健康を守る
といった役割も担っています。つまり呼吸に関するかかりつけ医として、気軽に相談できる診療科なのです。
2. 呼吸器内科でよく診る病気
呼吸器内科では、「咳が続く」「息が苦しい」「いびきがひどい」など、呼吸に関するさまざまな症状に対応しています。以下は、日常的によく診る代表的な病気です。
● 咳喘息・長引く咳
風邪が治ったあとに咳だけが何週間も続く場合、咳喘息の可能性があります。気道の炎症や過敏性が原因で、咳止めでは効果が不十分なことも。吸入薬などの治療で改善が見込めます。
● COPD(たばこ病)(慢性閉塞性肺疾患)・気管支喘息
喫煙が主な原因のCOPD(たばこ病)や、アレルギーなどによって気道が狭くなる喘息では、「息苦しさ」「ゼーゼーする音」などの症状が出ます。どちらも吸入薬による継続的な治療と日常生活の管理が重要です。
●睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まる病気で、いびきや日中の強い眠気、集中力の低下が見られます。放置すると高血圧や心疾患のリスクが高まるため、検査で状態を確認し、CPAPという装置を使った治療を行うことがあります。
● アレルギー性鼻炎・蕁麻疹
アレルギーによる鼻水・くしゃみ・鼻づまりや、皮膚のかゆみ・発疹などの症状にも対応しています。対症療法に加えて、スギ花粉やダニが原因の場合は「舌下免疫療法」で体質改善を目指すことも可能です。
3. どんな症状があれば受診すべき?
次のような症状があるときは、呼吸器内科の受診をおすすめします。
- 咳や痰が2週間以上続いている
- 息切れや胸の違和感がある
- ゼーゼー・ヒューヒューと音がする
- 健診で胸部X線に異常を指摘された
- 血痰、強い呼吸苦、胸痛などの緊急症状
特に「血痰」「急な呼吸困難」などは緊急性が高いため、まず救急外来や専門病院に相談しましょう。
4. クリニックでできる検査と治療
呼吸器内科クリニックは「呼吸器症状の入り口」としての役割があります。初期診断を行い、必要に応じて病院に紹介します。代表的な検査・治療は以下のとおりです。
- 胸部X線、呼吸機能検査、呼気NO検査、血液検査
- 睡眠時無呼吸症候群の簡易検査や精密検査
- 難治性の咳への治療(リフヌアなど)
- 重症喘息への生物学的製剤による治療
- インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種
クリニックでは当日結果が出る検査も多いため、受診したその日に診断や治療が始められるケースも少なくありません。
5. まとめ
呼吸器内科は、
- 長引く咳
- 息切れや呼吸苦
- アレルギーや喘息
- 睡眠時無呼吸症候群
など、幅広い呼吸器の病気や症状に対応できる診療科です。「ただの風邪かも」と思っていても、長引いたり生活に支障をきたすようなら早めに相談するのがおすすめです。呼吸に関するお悩みがあるときは、ぜひ一度、呼吸器内科を受診してみてください。