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高尿酸血症とプリン体の関係|食品の目安量と予防策を解説

新着記事 生活習慣病

「健康診断で尿酸値が高いと言われた」「足の親指の付け根が急に腫れて痛くなった」——そんな経験はありませんか?
これらは 高尿酸血症や痛風のサイン かもしれません。

高尿酸血症・痛風は、放置すると痛みを繰り返すだけでなく、腎臓や血管の病気につながる可能性があります。しかし、生活習慣の見直しや適切な治療で予防・改善が可能です。

この記事では、一般の方にも分かりやすいように、高尿酸血症・痛風の基礎知識、治療法、生活習慣の工夫 をまとめました。

目次

1. 高尿酸血症と痛風とは

尿酸は「プリン体」という物質が分解されてできる老廃物です。
通常は尿や便として体の外に出ますが、作られすぎる(食事・肥満・代謝異常など)、排泄がうまくいかない(腎機能低下・アルコール・体質など)ことで血液中にたまります。

血中の尿酸が 7.0 mg/dL 以上 になると「高尿酸血症」と診断されます。自覚症状はないことも多いですが、放置すると尿酸が結晶となり関節に沈着し、炎症を起こします。これが痛風発作です。

足の親指の付け根に突然の激痛

夜間や明け方に起こりやすい

関節が赤く腫れ、数日~1週間ほど続く

「風が吹いても痛い」と表現されるほど強烈な痛みを伴い、繰り返すこともあります。

2. 放置するとどうなる?

「痛みが治まったから大丈夫」と放置するのは危険です。高尿酸血症や痛風をそのままにすると、次のようなリスクがあります。

  • 繰り返す痛風発作:関節が腫れて変形することもある
  • 腎臓への影響:尿酸結晶が腎臓に沈着し、尿路結石や腎機能障害の原因になる
  • 生活習慣病との関係:高血圧や糖尿病、脂質異常症と合併しやすく、心筋梗塞や脳梗塞のリスク増加

3. 治療と薬の種類

治療の目的は、尿酸値を 6.0 mg/dL 以下に保つこと。尿酸が溶けやすくなり、痛風発作の再発予防につながります。

治療の流れ

  1. 生活習慣の改善からスタート
  2. 不十分または発作を繰り返す場合は薬を使用

薬の種類

  • 尿酸の産生を抑える薬(フェブリク、アロプリノールなど):尿酸が作られるのを防ぐ
  • 尿酸を排泄しやすくする薬(ユリノームなど):尿から尿酸を出やすくする

痛風発作時の対応

  • 消炎鎮痛薬(NSAIDs)やコルヒチンで痛みを抑える
  • 発作中に尿酸を下げる薬を新規に開始するのは避ける
  • 服薬中の人は医師の指示に従い継続する場合もある

4. 生活習慣と食事の工夫

薬で尿酸値を下げることも大切ですが、同じくらい重要なのが 生活習慣の見直し です。毎日の習慣を整えることで、尿酸値の上昇を抑えたり、痛風発作を予防したりすることができます。

生活習慣で気をつけたいこと

  • 適正体重を維持する
    肥満は尿酸値を上げる大きな要因です。急激な減量はかえって尿酸値を上げることがあるため、無理のない範囲で体重管理をしましょう。

  • 水分をしっかりとる
    水分を十分にとると尿が薄まり、尿酸が排出されやすくなります。水やお茶をこまめに飲むことがポイントです。

  • 無理のない有酸素運動
    ウォーキングや軽いジョギングなどは尿酸値のコントロールに有効です。ただし激しい運動は逆に尿酸を増やすことがあるため注意が必要です。

  • 飲酒を控える
    特にビールはプリン体を多く含み、尿酸値を上げやすいといわれています。焼酎やワインなども過剰な摂取は要注意です。

食事のポイント

食事内容は尿酸値に大きく影響します。食品ごとのプリン体量を意識し、工夫することが大切です。

控えたい食品

  • レバー、白子、魚卵など内臓系や魚卵類

  • イワシ、カツオ、エビ、カキなどプリン体が多い魚介類

  • アルコール飲料全般(特にビール)

おすすめ食品・食事法

  • 野菜や果物:ビタミンや食物繊維が豊富で、尿酸の排泄を助けます

  • 魚、豆類、オリーブオイル:良質なたんぱく質や脂質をとりつつ、体にやさしい栄養素が摂取できます

  • ビタミンCを含む食品:尿酸値を下げる効果が期待され、柑橘類やブロッコリーなどが代表例です

  • DASH食や地中海食:野菜や果物を多く、動物性脂肪を控える食事スタイルで、生活習慣病予防にも役立ちます

ポイント

「プリン体をゼロにする」必要はありませんが、摂りすぎない工夫 が大切です。たとえば、レバーや干物などプリン体が多い食品は少量に抑えたり、組み合わせを避けたりすると安心です。

5. まとめ

高尿酸血症・痛風は、放置すると痛みだけでなく腎臓や血管の病気にもつながります。

しかし、生活習慣の改善や薬でコントロールできる病気です。

  • 尿酸値は6.0 mg/dL 以下を目指す
  • 生活習慣の見直し+必要に応じて薬の使用
  • 気になる人は早めに医師へ相談
  • 「尿酸値が高め」と言われたら、そのままにせず一歩踏み出すことが大切です。お気軽にご相談ください。
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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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