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喘鳴によるヒューヒュー音は何が原因?考えられる病気とは

新着記事 喘息 呼吸器内科

「ぜーぜー・ヒューヒュー」する《喘鳴(ぜんめい)》をわかりやすく解説
―呼吸の音が教えてくれる身体のサインとは?―

「息をするとヒューヒューと音がする」「風邪が治ったのに呼吸が苦しい」――そんな経験がある方は、もしかすると 喘鳴(ぜんめい)が起きているかもしれません。喘鳴は気道が狭くなったサインで、放置すると悪化することもあります。 この記事では、専門医が喘鳴の仕組み・原因・対処法をわかりやすく解説します。

1.喘鳴(ぜんめい)とは?

喘鳴とは、呼吸をするときに 「ヒューヒュー」「ぜーぜー」 といった音が聞こえる状態を指します。この音は、気道が狭くなった結果、そこを空気が無理に通り抜けることによって生じる「空気の乱流音」です。

健康な気道は広く、空気がスムーズに通るため、このような音はほとんど聞こえません。そのため、喘鳴があるということは、何らかの理由で 気道がむくんでいる・痰がからんでいる・気道が過敏になっている といった異変が起きているサインともいえます。

患者さん自身は気づきにくいこともあり、「家族に指摘されて初めて気づいた」というケースも少なくありません。

2.喘鳴が起こる理由

喘鳴の背景には、次のような生理学的な変化があります。

① 気道の壁が腫れる(炎症)

風邪・ウイルス感染・アレルギーなどが原因で気道の内側が腫れ、空気の道が狭くなります。

② 粘液(痰)が増える

炎症が続くと痰が増え、細い気道をさらに塞ぐようにたまります。空気の通り道はさらに狭まり、喘鳴は強くなります。

③ 気道の過敏性が高くなる

冷気やタバコ、香水、ホコリなど、少しの刺激でも気道が縮こまる状態に。わずかな刺激で音が出やすくなります。

つまり「むくみ+痰+過敏性」が合わさるほど、喘鳴は強くなり、呼吸の負担が増します。

3.喘鳴の主な原因

喘鳴の背景には、以下のような病気や状態が隠れていることがあります。

● 気管支喘息

喘鳴といえば最も代表的なのが気管支喘息です。
夜間・明け方に悪化しやすく、運動後・冷気・アレルギーなどでも呼吸が苦しくなることがあります。
咳だけが先行するケースもあり、喘鳴と咳がセットで起きることも少なくありません。

● 咳喘息

咳が8週間以上続くときに疑われる病気で、気道が敏感な状態になっているため、軽い喘鳴がみられることがあります。
風邪後に始まり、季節の変わり目で悪化するのが特徴です。

● 風邪・ウイルス感染後の炎症

風邪が治ったと思っても、気道の炎症だけが残り、「回復途中のヒューヒュー」が続くことがあります。
小児〜成人まで幅広く見られる原因です。

● アレルギー体質

花粉症・アレルギー性鼻炎・アトピーのある方は、気道全体が“敏感体質”であるため、少しの刺激でも喘鳴が出やすい傾向があります。

● その他の原因

逆流性食道炎(胃酸が喉に触れて気道を刺激)
COPD(喫煙歴のある方に多い)
・冷たい空気、タバコ煙、スプレー、香水
・乾燥した環境、寝不足、ストレス

複数の要因が重なると症状が強く出やすく、「たまたま今日の環境が悪かった」ということもあります。

4.受診すべきタイミング

次のような場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 呼吸が苦しい、息を吸いにくい
  • 夜中にヒューヒューして眠れない
  • 横になると悪化する
  • 初めて喘鳴が出た
  • 咳が長引き生活に支障が出ている
  • 喘息・アレルギーの既往がある

特に「呼吸の苦しさ」は緊急性を伴う場合もあります。少しでも不安があれば無理に我慢せず受診してください。

5.自宅でできるケア

軽度の喘鳴であれば、次の対策が呼吸を楽にする助けになります。

    • 少し前かがみになり肩の力を抜く
    • ゆっくり吸い、吐く息を長めにする
    • 室内湿度を50〜60%に保つ
    • タバコ・香水・スプレー・ホコリなど刺激物を避ける
    • 風邪をひいたら早めに休む
    • 冷たい空気を吸わないようマスクを利用

これらでも改善しない場合は、薬が必要な可能性があります。早めに医療機関へご相談ください。

6.当クリニックでの診療

 

当院(葛西よこやま内科・呼吸器内科クリニック)では、呼吸器専門医が患者様一人ひとりの症状に合わせて丁寧な診察を行っています。
喘鳴は、風邪やアレルギーだけでなく、喘息・咳喘息・COPD などが隠れている場合もあり、原因を正確に見極めることが大切です。

診療は次の流れで行います。

  • 問診(症状・生活背景・アレルギー歴の確認)
    いつ・どんな場面で症状が出るのか、詳しく伺い原因を整理します。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)
気道の狭さや呼吸の状態を客観的に測定します。

アレルギー検査(血液検査)
花粉・ダニ・ハウスダストなどの関与を調べ、長期的な管理に役立てます。

治療方針の説明(吸入薬の調整・生活指導など)
結果をもとに最適な治療を提案し、症状が安定するまでサポートします。

まとめ ― 喘鳴は「体からのSOSサイン」

「ぜーぜー」「ヒューヒュー」という音は、体が発している“気道の異常”のサインです。

風邪の名残りと思って放置してしまう方も多いですが、実は気管支喘息や咳喘息、COPDなどの初期症状であることも少なくありません。軽い症状のうちに原因を特定し、適切な治療を行うことで、悪化や再発を防ぐことができます。

「夜に息苦しい」「会話中に咳き込む」「風邪のあとにヒューヒューが残る」――そんなときは、早めに呼吸器内科を受診しましょう。

当院では、呼吸器専門医が一人ひとりの症状に合わせて検査・治療・生活指導まで丁寧に行っています。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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院長 横山 裕

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック

院長 横山 裕

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