気道過敏性とは?セルフチェック付き解説|咳や喘息との関係

気道過敏性とは?セルフチェックで知る症状と受診のタイミング
咳が長引く、夜や明け方に悪化する、冷たい空気で胸が苦しくなる——そんなときに関わっているのが「気道過敏性」です。この記事では、セルフチェックの方法や原因、診断の流れをわかりやすくまとめました。
気道過敏性とは?
気道過敏性とは、本来なら反応しないような刺激にも気管支が過敏に反応してしまう状態です。気管支が収縮すると、咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさを感じるようになります。
特に代表的なのは「気管支喘息」です。喘息の患者さんは、冷たい空気やタバコの煙、花粉やダニといったアレルゲンに反応しやすく、気道が狭くなる「喘息発作」を起こします。つまり、気道過敏性は 喘息そのものの本質的な特徴 と言えます。
また、喘息ほど強い気管支の収縮がなくても、咳だけが長く続く「咳喘息」も気道過敏性が関与しています。咳喘息は放っておくと本格的な喘息に移行することもあるため、早期に気づくことが大切です。
気道過敏性セルフチェック
以下のような症状に心当たりはありませんか?複数当てはまる場合は、気道過敏性の可能性があります。
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- 咳が2〜3週間以上続いている
- 夜間や早朝に咳が悪化する
- 冷たい空気や煙で胸が苦しくなる
- 運動後に咳や息切れが出る
- アレルギー体質があり季節の変わり目に咳が強くなる
これらに当てはまる場合は、呼吸器内科での検査をおすすめします。早めに受診することで、COPDや喘息への進展を防ぐことにつながります。
なぜ起こるのか(原因)
気道過敏性が高まる理由は1つではありません。大きく分けると、「気道の炎症」 と 「気道の構造変化(リモデリング)」 の2つが関係しています。
まず、気道の慢性的な炎症です。アレルギー体質の方や、大気汚染・喫煙・感染などの影響で気道に炎症が起こると、粘膜が傷つき、刺激に敏感になってしまいます。その結果、少しの刺激でも咳や息苦しさが出やすくなります。
次に、炎症や収縮が長く続くと「気道リモデリング」と呼ばれる構造変化が起こります。気管支の壁が厚く硬くなり、しなやかさを失ってしまうのです。リモデリングが進むと気道はさらに狭くなりやすくなり、喘息が重症化する原因にもなります。
つまり、気道過敏性は「炎症が原因で始まり」「構造の変化で悪化していく」という二段階の過程で進んでいくのです。
気道過敏性と症状の関係
気道過敏性が強くなると、日常生活の中でもさまざまな場面で症状が出やすくなります。例えば、
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季節の変わり目や気温差で咳が止まらなくなる
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タバコの煙や香水の匂いで胸が苦しくなる
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運動後や夜間・早朝に咳が強くなる
といった経験がある方は注意が必要です。
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これらは単なる風邪や体調不良と勘違いされやすいのですが、実際には気道過敏性が背景にある場合があります。長引く咳や息苦しさが続くときは、自己判断せず専門医に相談することが大切です。
どうやって診断するのか

大学病院や専門機関では「メサコリン負荷試験」などで直接気道過敏性を調べますが、一般的なクリニックでは次のような検査で間接的に評価します。
- 呼吸機能検査(スパイロメトリー)
- 呼気NO検査(気道炎症の有無を測定)
- 症状や経過の問診
- 吸入薬に対する反応を確認
まとめ
気道過敏性とは、気管支が敏感になり咳や喘鳴、息苦しさを起こしやすい状態です。炎症で始まり、リモデリングで悪化するのが特徴で、放置すると喘息の重症化につながるおそれがあります。
咳が長引く、夜間に悪化する、冷気や煙で胸が苦しいといった症状がある場合は、早めに呼吸器内科に相談しましょう。早期に気道過敏性を見つけてコントロールすることが、喘息の悪化を防ぐ第一歩になります。
よくある質問
Q1. 風邪との違いは?
風邪は1週間前後で改善することが多いですが、気道過敏性では咳が長引き、夜間や冷気で悪化するのが特徴です。
Q2. 自分で治せますか?
禁煙やアレルギー対策で軽減することはありますが、薬物治療が必要なことが多いため医療機関での診断が望ましいです。
Q3. どんなときに受診すべき?
咳が2〜3週間以上続く、夜間に悪化する、運動や冷気で誘発されるときは受診を。血痰・胸痛・強い息苦しさは救急外来の受診が必要です。
参考記事
- 気道抵抗性試験(モストグラフ)【喘息の診断・管理】
- 呼気NO(FeNO)検査【喘息の診断・管理】
- 肺機能検査(呼吸機能検査・スパイロメトリー)【呼吸器疾患の診断・管理】
- 気道過敏症とは何か?【喘息】【咳喘息】
引用文献
(1)H. Meurs et al. European Respiratory Journal 2008 32(2): 487-502
(2)H. Meurs et al. European Respiratory Journal 2008 32(2): 487-502
(3) https://global.epicentralmed.com/epifundamentals/airway-hyperresponsiveness-severe-asthma
(4)Woolcock, Clinical and Experimental Allergy Reviews 2001;1(2), 62-64

葛西よこやま内科・
呼吸器内科クリニック
院長 横山 裕
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