秋にも花粉症?原因・症状・対策をわかりやすく解説
「花粉症は春だけ」と思っていませんか? 実は秋にも花粉症があります。9〜11月はブタクサやヨモギなどの草花が花粉を飛ばし、鼻・目だけでなく喉や咳の不調を引き起こします。風邪や喘息と見分けがつきにくい秋の花粉症について、原因・症状・予防・治療までやさしく解説します。
1. 秋の花粉症の原因植物と時期
秋の花粉症は主に雑草の花粉が原因です。代表は ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ など。空き地や河川敷、歩道脇など生活圏に多く、飛散距離は春のスギより短いものの「近くにあるため吸い込みやすい」のが特徴です。関東では8〜10月に飛散し、ピークは9月、地域や環境によっては11〜12月頃まで続くこともあります。
秋の花粉症の症状(鼻・目・喉・咳)
春の花粉症と同じように、秋でも くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみ・充血・流涙 といった典型的な症状がみられます。
- 鼻:くしゃみ/水っぽい鼻水/鼻づまり
- 目:かゆみ/充血/涙が出る
さらに秋は、花粉が鼻や目だけでなく喉頭(声帯の周囲)にも影響しやすく、 喉のイガイガ・乾いた咳・声のかすれが目立つのが特徴です。 当院では、これらの症状を季節性喉頭アレルギーとして診療することがあります。
症状が長引く場合は、単なる花粉症だけでなく、 長引く咳(慢性咳嗽)や 咳喘息 など他の原因が隠れている可能性もあります。「風邪かな」と様子をみていて長引くケースも少なくありません。迷ったら早めに受診のうえ、症状や背景に合わせて適切な治療を進めましょう。
3. 花粉症と風邪・喘息の見分け方
秋に出やすい鼻や喉の不調は、「風邪かな?」と思って様子をみてしまう方が多いですが、実際には花粉症や喘息が関わっていることがあります。症状の特徴を整理してみましょう。
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風邪
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ウイルス感染が原因で、通常は数日〜1週間程度で軽快します。発熱やのどの強い痛みを伴うことが多く、時には咳や痰も出ます。ただし、長引かず自然に回復するのが特徴です。
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花粉症
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発熱はほとんどなく、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみといった症状が数週間〜数か月にわたり持続します。春だけでなく秋にも発症しやすく、天候や季節との関連がある点がポイントです。喉の違和感や乾いた咳を伴う場合は、当院でも扱っている季節性喉頭アレルギーの可能性もあります。
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喘息
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気道が慢性的に炎症を起こす病気で、呼吸時にヒューヒュー・ゼイゼイといった喘鳴が特徴です。夜間や早朝に咳や息苦しさが悪化しやすく、秋の花粉が引き金となって症状が出ることもあります。詳しくは当院ブログ:気管支喘息をご覧ください。
4. 日常でできる予防とセルフケア
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①マスク・メガネで花粉の侵入を防ぐ
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外出時にはマスクで鼻や喉を、メガネで目を守りましょう。特に風が強い日や草むらの近くを歩くときは効果的です。
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②帰宅直後のケアを徹底する
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家に入る前に衣服についた花粉を軽く払い落とし、帰宅後は洗顔やうがい、可能であれば入浴をして体や髪に付着した花粉を落とすことが大切です。これだけでも症状の軽減につながります。
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③室内環境の工夫
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花粉の多い時期は窓を大きく開け放さず、短時間の換気で済ませるなど工夫が必要です。室内はこまめに掃除を行い、洗濯物はできれば室内干しにすることで花粉の持ち込みを減らせます。
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④身近な環境整備
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ご自宅の周囲にブタクサやヨモギなどの雑草が生えている場合は、可能な範囲で除草すると効果的です。原因となる植物を減らすことで、症状を和らげられることがあります。
こうした対策は一見小さな工夫ですが、積み重ねることで症状の出方が大きく変わることもあります。薬とあわせて日常生活でのセルフケアを実践することが、秋の花粉症を乗り切るポイントです。
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5. 治療と受診の目安
軽症は抗ヒスタミン薬・点鼻薬・点眼薬で改善することが多い一方、市販薬で良くならない/咳・喉違和感が長引く/喘息が悪化する場合は医療機関を受診しましょう。
当院では、アレルギー検査で原因を把握し、症状に合わせた薬物治療に加えて、必要に応じ舌下免疫療法(スギ/ダニ)もご案内しています。詳しくは 舌下免疫療法についてをご覧ください。
6. まとめ
秋の花粉症は、身近な雑草の花粉が原因で、鼻・目の症状に加え喉・咳の症状が前面に出やすいのが特徴です。風邪や喘息と紛らわしいため、症状が長引く・繰り返すときは早めの受診を。適切な対策と治療で、秋も快適に過ごせます。
- 咳・喉の違和感が続く方:のどが原因の咳(季節性喉頭アレルギー等)
- 長引く咳でお困りの方:長引く咳(慢性咳嗽)
- 喘息が悪化しやすい方:咳喘息・気管支喘息
- 体質から改善したい方:舌下免疫療法について
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