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咳の原因は喫煙?それ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性も

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「風邪はとっくに治ったのに、咳だけがなかなか止まらない…」
「朝起きた時や寒い日に、咳や痰が出ることが多い…」

そんな症状に心当たりはありませんか?

その咳、もしかすると“タバコ”が原因かもしれません。実は、長年の喫煙によって肺がダメージを受け、慢性的な咳や息切れが続く病気があります。それが「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」です。

COPDとは何か?タバコが引き起こす呼吸の病気

COPDは「Chronic Obstructive Pulmonary Disease」の略で、日本語では慢性閉塞性肺疾患と呼ばれます。聞き慣れない言葉かもしれませんが、これはタバコの煙などの有害物質によって肺が炎症を起こし、気道が狭くなったり肺が壊れたりすることで、呼吸がしづらくなる病気です。

かつては「慢性気管支炎」や「肺気腫」と呼ばれていましたが、現在ではそれらを総称してCOPDと表現します。実際、日本では推定530万人もの患者がいると考えられていますが、その多くは「自分がCOPDだ」と気づかず、咳止めや風邪薬だけで対処してしまっているのが現状です。

咳や痰、息切れ…その症状はCOPDかも?

COPDの初期症状はとてもあいまいで、見逃されがちです。たとえば、以下のような症状がある場合は要注意です。

  • 朝に咳や痰がよく出る
  • 少しの運動で息切れがするようになった
  • 痰がからんで、喉がスッキリしない
  • 寒い時期や風邪の後に咳が長引く

これらの症状が半年以上続いているときは、単なる風邪ではなくCOPDの可能性があります。

タバコは肺をどう壊すのか?

タバコの煙には、たくさんの化学物質が含まれており、そのうち200種類以上が体に有害で、70種類以上は「がん」の原因になると言われています。このような煙を毎日吸っていると、肺の奥にある「肺胞(はいほう)」という、小さな空気の袋が少しずつ壊れていきます。この肺胞は、酸素を体に取り込むためにとても大切な場所です。

さらに、気管支にもずっと炎症が続き、痰がからみやすくなったり、空気の通り道が狭くなってしまいます。その結果、肺がしっかり働けなくなってしまい、「息が苦しい」「咳が出る」「痰が多くなる」といった症状が現れるようになります。

どのくらい吸うとリスクが高まる?

タバコをどのくらい吸ってきたかは「Pack-Years(パックイヤーズ)」という指標で計算されます。

  • 1日1箱(20本)× 20年 = 20 Pack-Years → 約2割の人がCOPDを発症
  • 1日2箱 × 30年 = 60 Pack-Years → 約7割の人がCOPDを発症

つまり、吸っている本数 × 吸っていた年数で、COPDのリスクが大きく変わってくるのです。

禁煙しても咳が出る理由

「タバコをやめたのに、かえって咳がひどくなった気がする…」と感じる方もいます。

でも、これは心配いりません‼️

 

タバコをやめると、これまで弱っていた「気道のおそうじ機能(繊毛運動)」が少しずつ元気を取り戻してきます。そのおかげで、肺や気道にたまっていた痰(たん)や汚れが外に出やすくなり、一時的に咳が増えることがあるのです。この咳は、体がきれいになろうとしているサイン。多くの場合、数週間から数か月で自然におさまっていきます。

ただし、「咳が長く続く」「息切れがなかなか改善しない」という場合は、別の病気が隠れている可能性もあります。特に、喫煙歴のある方ではCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性も考えられます。

そこで当院では、COPDの重症度や日常生活への影響を評価するために、簡単な質問票である【COPDアセスメントテスト(CAT)】を活用しています。

COPDアセスメントテスト(CAT)とは?

CMHとCATとCOPD増悪

CAT(シーエーティー)は、COPDの症状や生活への影響を8つの質問でスコア化する世界的な質問票です。10点以上は治療が必要な可能性があるとされており、当院でも診断に使用しています。ご自身の状態をチェックしてみましょう。

COPDアセスメントテスト(CAT)

あなたの合計スコア:0

 
(一般社団法人GOLD日本委員会より https://www.gold-jac.jp/support_contents/cat

いかがでしたでしょうか?

COPDアセスメントテスト(CAT)は、ご自身の呼吸の状態や生活への影響を知るためのツールです。合計スコアが高いほど、症状が日常生活に影響を与えている可能性があります。

スコアの目安:
・0~10点:症状は軽度ですが、引き続き経過を観察しましょう。
・11~20点:中等度の症状。呼吸器内科での相談をおすすめします。
・21点以上:症状が強い可能性があります。できるだけ早めに専門医へご相談ください。

COPDは早期発見・早期治療がカギ

(当院Instagramより)

COPDは進行すると、日常生活の質が大きく下がるだけでなく、将来的に酸素吸入が必要になることもあります。しかし、早期に発見して治療を始めれば、症状の進行を抑えることができます。

当院では、呼吸機能検査や胸部レントゲン、質問票などを用いた診断・評価を行っております。「咳が長引く」「息切れが増えた」「喫煙歴がある」という方は、お気軽にご相談ください。

参考記事

【講演会参加】COPDに対するデュピルマブ適応追加についての講演会

気管支喘息(ぜんそく)と咳喘息はどう違う?原因・症状・治療について解説!

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