「風邪はとっくに治ったはずなのに、咳だけが止まらない…」
「話すと咳が出て、電話もつらい…」
そんな経験はありませんか?
実はその咳、アレルギーが原因の“アトピー咳嗽(がいそう)”かもしれません。このページでは、乾いた咳が長引く原因のひとつ「アトピー咳嗽」について、わかりやすく解説します。
アトピー咳嗽ってどんな病気?
アトピー咳嗽(がいそう)は、痰(たん)が出ない“乾いた咳”が長く続く病気です。ですが、風邪のように熱が出たり、喘息のようにゼーゼー息苦しくなることはありません。
この病気では、のどや気管支にアレルギーによる軽い炎症が起きています。その影響で、咳の神経が敏感になり、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなっていると考えられています。
風邪や喘息との違いは?
病名 | 咳 | ゼーゼー音 | 息苦しさ |
---|---|---|---|
アトピー咳嗽 | 乾いた咳が長引く | なし | なし |
風邪 | 一時的な咳・痰・鼻水 | なし | 軽度 |
喘息 | 咳・痰 | あり | あり |
アトピー咳嗽は喘息と似ていますが、呼吸困難やゼーゼー音がないのが大きな違いです。
どんな人に多いの?
アトピー咳嗽は、特に40代以降の女性に多いとされています。
その背景には、ホルモンバランスの変化や、自律神経の影響も関係しているのではないかと考えられています。また、もともとアレルギー体質のある人も注意が必要です。
例えば...
花粉症やアレルギー性鼻炎がある
アトピー性皮膚炎の経験がある
家族にアレルギー体質の人がいる
といった方は、気道の粘膜が敏感になりやすく、咳が長引くきっかけを持ちやすいといえます。
参考文献 ・日本咳嗽学会HP「アトピー咳嗽」
咳が悪化するきっかけ(誘因)
アトピー咳嗽の咳は、以下のような刺激で悪化しやすくなります。
- 風邪のあと
- 季節の変わり目(気温・湿度・気圧の変化)
- 会話・電話・笑い声
- ストレスや疲れ
- タバコの煙(受動喫煙)
- 運動・冷たい空気
アレルギー体質との関係
「アトピー咳嗽(がいそう)」という名前の通り、アレルギー体質が関係している咳の病気です。しかし、もともとアレルギーの体質がある人は、気道(のどや気管支)の粘膜が敏感になりやすく、ちょっとした刺激でも咳が出てしまうことがあります。
たとえばこんな特徴がある人は、アトピー咳嗽になりやすい傾向があります。
☑️花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎がある
☑️家族にアレルギー体質の人がいる
☑️血液検査で「IgE」や「好酸球」という値が高い
こうした体質の人は、冷たい空気やタバコの煙、会話などの刺激に反応しやすく、咳が出やすくなるのです。
まとめ|咳が続くときは早めの相談を
咳が2週間以上続いているなら、呼吸器内科やアレルギー専門医への相談をおすすめします。
「咳だけだから大丈夫」と我慢せず、専門的な検査を受けることで早期に原因がわかり、適切な治療につながります!お気軽に当院へご相談ください。