「咳が長引く」「喘息かどうかよく分からない」そんなときに役立つのが、呼気NO(FeNO)検査です。この検査は、吐いた息(呼気)に含まれる成分を調べて、気道に炎症があるかどうかをチェックする検査です。
「ただの咳かと思ったら、実は喘息だった」そんなケースを見逃さないために、今注目されている体に負担の少ない検査方法です。
🔎 目次
1. 呼気NO(FeNO)検査とは?
呼気NO検査は、吐いた息に含まれる「一酸化窒素(NO)」の濃度を測る検査です。このNOは、気道のアレルギー性炎症があると増えるため、喘息や咳喘息の診断・治療評価に非常に役立ちます。検査は息を吐くだけで、痛みなく1分ほどで終わります。
2. この検査でわかる4つのこと
✅ わかること | 📖 説明 |
---|---|
① アレルギー性炎症の有無 | 気道に好酸球性の炎症があるかどうかを数値でチェック |
② 喘息や咳喘息の可能性 | 症状が軽くても、FeNOが高ければ喘息の可能性あり |
③ 治療の効果判定 | 吸入ステロイドが効いていれば数値は下がる |
④ 将来のリスク | 高い状態が続くと、将来的に肺機能が落ちる可能性も |
FeNO検査は、気道のアレルギー性炎症を定量的に評価できる数少ない検査のひとつです。 咳や喘鳴などの症状があっても診断が難しい場合や、治療中の炎症コントロールを確認したい場合に、非常に有効な指標となります。
3. こんな人におすすめ
FeNO(呼気NO)検査は、次のような症状やお悩みがある方に特におすすめです。
- 咳が2週間以上続いている
- 呼吸がゼーゼー・ヒューヒューする
- 喘息かどうかはっきりさせたい
- 薬が効いているか確認したい
- アレルギー体質がある(鼻炎やアトピーなど)
4. FeNOの数値はどれくらいで注意?
- ✔ 一般的に、37ppb以上で喘息の可能性が高いとされています。
- ✔ 数値が高いほど、気道に炎症(特に好酸球性炎症)が起きている可能性があります。
- ✔ 正常値でも喘息を完全に否定できるわけではありません。
- ✔ 吸入治療などで炎症が抑えられれば、数値は下がっていきます。
FeNOの数値は、気道の炎症の“強さ”を示す目安です。 診断や治療の判断は、症状や他の検査とあわせて行います。数値が高い状態が続くと、肺機能が低下するリスクもあるため、 定期的に測定して炎症をコントロールすることが大切です!
5. 検査の方法と流れ
- 息を吐ききる
- 息を吸って、検査器に向かって一定の速度で約10秒間、息を吐く
- 数秒で測定完了。画面に結果が表示されます
✔ 検査時間:約1分
✔ 痛みなし、食後・服薬後でもOK(条件あり)
6. 検査費用と保険適用
- 健康保険適用あり(3割負担)
- 自己負担額:約900円(※再診料など別途あり)
- 自費で行う場合:およそ3,000〜5,000円程度
8. まとめ|気になる咳は見える検査でチェックを
呼気NO検査は、「見えない炎症」を見える化できる便利な検査。咳が続く・喘息が不安・治療評価をしたい方におすすめです。気になる方は、FeNO対応の呼吸器内科で相談を✨
参考記事
・気管支喘息(治療)
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)
・ピークフローメーター【喘息の診断・管理】
・気道抵抗性試験(モストグラフ)【喘息の診断・管理】
・呼気NO(FeNO)検査【喘息の診断・管理】