【喘息の原因とは?】咳やゼーゼーの理由をやさしく解説
「風邪は治ったのに咳がずっと続いている…」
「夜になるとゼーゼーして眠れない…」
そんな症状がある方は、「喘息(ぜんそく)」かもしれません。でも、なぜ喘息になるのでしょうか?この記事では、喘息の原因や悪化しやすいきっかけについて、できるだけわかりやすく説明します。
🔷目次
1. 喘息ってどんな病気?
喘息(ぜんそく)は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が起こり、ちょっとした刺激でも気管支がせまくなってしまう病気です。その結果、以下のような症状が繰り返し起こります。
- 咳が出る(特に夜中や明け方)
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音がする
- 息がしにくい、呼吸が苦しい
- 胸が圧迫される感じがある
- 動くとすぐに息が上がる
これらの症状は、天気の変化や風邪などをきっかけに急に悪化することがあります。ひどい場合には救急受診や入院が必要になることもあり、命に関わることもある病気です。
でも、原因を知って予防をすれば、日常生活に支障なく過ごすことができます♪
2. 喘息の主な原因は?
喘息は、「これが原因!」とひとつに絞れる病気ではありません。体質(アレルギー傾向)と環境的な刺激が重なって、少しずつ気道に炎症が起こることで発症します。アレルギー(アレルゲン)
- ハウスダスト(ほこり):家の中のほこり、古い布団、絨毯など
- ダニやカビ:湿気が多い環境や掃除不足が原因
- ペット:犬や猫の毛やフケ、唾液
- 花粉:スギ・ヒノキなどの季節性アレルゲン
- 食べ物や薬:まれに特定の食品や薬でも喘息が誘発されることがあります
空気のよごれ・環境
- 排気ガスやPM2.5、工場の煙
- たばこの煙(自分が吸っていなくても周囲の受動喫煙)
これらの刺激は、アレルギーがない人でも気道を傷つけ、喘息を悪化させることがあります。
ウイルス感染
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染がきっかけになることも多く、特に子どもや高齢者に多い傾向があります。
ストレスや疲労
精神的なストレスや体の疲れも、喘息の発症・悪化に関わります。自律神経のバランスが崩れると、気道が過敏になるからです。
清潔すぎる生活環境
「幼少期に細菌やウイルスへの暴露が少ないと、免疫バランスが崩れてアレルギー体質になりやすい」という「衛生仮説」もあります。
3. 喘息が悪化するきっかけとは?
すでに喘息を持っている人は、ちょっとした刺激でも症状が悪化(増悪)します。こうした「きっかけ」は人によって違いますが、以下のようなものがあります。
悪化しやすいきっかけ(増悪因子)
- 風邪・インフルエンザなどの感染症
- 急な気温の変化、寒暖差
- 低気圧や雨などの天候変化
- 花粉が多い季節(春・秋)
- 寝具やカーペットのダニ・ほこり
- ペットとの接触
- タバコの煙(喫煙者の近くも含む)
- 激しい運動、笑いすぎ、冷たい空気を吸う
- ストレスや緊張状態
「この日は決まって調子が悪い」など、思い当たることがある方は、原因をメモしておくとよいでしょう。
4. 喘息になりやすい人の特徴
以下のような方は、喘息になりやすい傾向があります。
- 家族に喘息やアレルギーの人がいる(遺伝的体質)
- 子どもの頃にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあった
- 花粉症やアレルギー性鼻炎がある
- タバコを吸っている、または周囲に喫煙者がいる
- 空気の悪い地域に住んでいる(道路沿いや工場地帯など)
- ペットを飼っている
- 忙しくストレスの多い生活を送っている
- 睡眠不足や疲れがたまっている
- 生まれつき肺機能が弱い(早産・低出生体重児など)
5. 原因を知れば、正しい対策ができる
喘息は、原因や悪化のきっかけを知ることでしっかり予防できる病気です。
たとえば…
- ダニやほこりが原因 → 部屋をこまめに掃除し、布団を干す・布団乾燥機を使う
- 花粉が原因 → 外出時にマスクをする、洗濯物は室内干しにする
- ストレスが原因 → 十分な睡眠と休息をとる、ゆっくり深呼吸をする
- 風邪がきっかけ → 手洗い・うがいを習慣化、必要に応じてワクチン接種
そして、吸入薬や予防薬を使えば、症状をコントロールして生活の質を保つことができます。
「ただの咳」と思って放っておくと、重症化することもあります。もし、咳やゼーゼーする症状が長く続く場合は、早めに呼吸器内科を受診して、適切な診断と治療を受けましょう。
参考文献
気管支喘息(ぜんそく)と咳喘息はどう違う?原因・症状・治療について解説!