はじめに
夏になると「エアコンを使い始めてから喉がイガイガする」「朝起きると咳が出る」といった症状を訴える患者さんが増えてきます。エアコンの使用と喉や気道の不調には、密接な関係があります。
今回は、呼吸器内科専門医の立場から、エアコンが原因となる喉の不快感や咳の原因、注意点、対策法について解説します。
エアコンで喉がイガイガ・痛くなる原因
① 空気の乾燥
エアコンは冷却と同時に空気中の水分も除去し、室内の湿度が低下します。湿度が40%未満になると、喉の粘膜が乾燥しやすくなり、異物の侵入を防ぐバリア機能が低下します。
② ホコリやカビなどの汚染物質
エアコン内部にハウスダストやカビ、花粉などが蓄積されていると、吹き出し口から空気と共に撒き散らされ、アレルギー反応や咳を引き起こします。
③ 冷気による刺激
冷たい風が喉や気管に直接当たることで、咳反射や粘膜の炎症が起こりやすくなります。
エアコンによる咳や喉の不調を防ぐ方法
1. 室内の湿度を保つ
加湿器を使用する、洗濯物や濡れタオルを部屋に干すなどして湿度40~60%を目指しましょう。
2. エアコンフィルターの掃除
少なくとも月1回、可能なら2週間ごとの清掃を。カビやホコリ対策として非常に効果的です。
3. 風向きの調整
冷風が直接身体に当たらないように風向きを上・壁側に設定し、就寝中はタイマー設定も活用を。
4. のどを守る生活習慣
- 起床時・就寝前の水分補給
- 寝るときのマスク着用
- 冷たい飲み物の取りすぎを控える
それでも咳や喉の違和感が続くときは?
以下のような病気が隠れていることもあります:
特に2週間以上咳が続く場合は、呼吸器専門医の診察をおすすめします。
おわりに
気になる症状は呼吸器内科へご相談を
エアコンは夏の必需品ですが、使い方によっては喉や呼吸器に負担をかけることもあります。しっかり対策を行い、それでも症状が改善しない場合は専門的な診察を受けましょう。
当院では、咳や喉の不調に対して、詳細な問診・検査・治療方針のご提案が可能です。エアコン使用後に「喉がおかしい」「咳が止まらない」と感じたら、お早めにご相談ください。